国土交通省は,JR東日本と福島県が申請していた只見線(只見—会津川口間)の上下分離方式導入と,復旧にともなう鉄道事業の許可申請について,2021(令和3)年11月30日(火)付けで申請どおり許可し,同日に東北運輸局長から申請者に対して交付すると発表した.
この区間は,「平成23年7月新潟・福島豪雨」で橋りょう流失などの甚大な被害を受けたが,沿線自治体の強い意思を踏まえ,JR東日本と福島県が2017(平成29)年6月に,運行と鉄道施設などの保有を分離する上下分離方式の導入と鉄道による復旧で合意し,現在,2022(令和4)年中の運転再開を目指して復旧工事が進められている.
今回の許可は,上下分離方式の導入に必要な鉄道事業法上の手続きとして行なわれたJR東日本からの第二種鉄道事業(運行)の許可申請,福島県からの第三種鉄道事業(鉄道施設などの保有)の許可申請に対して,それぞれ行なうもの.
この区間の復旧工事については,2018(平成30)年6月成立の改正鉄道軌道整備法により新たに対象となった黒字事業者の赤字路線の事例として,国の災害復旧補助制度が適用されており,上下分離方式の導入などの事業構造の変更などの要件を満たすことによる補助率のかさ上げ(通常1/4→1/3)が実施される最初の事例となる.
画像はいずれも国土交通省東北運輸局ニュースリリースから