名古屋鉄道・名鉄EIエンジニア・トヨタシステムズ・東邦電機工業の4社では,AI画像解析を活用した踏切の安全性向上に関する実証実験を,2021(令和3)年11月15日(月)から実施すると発表した.
これは,名鉄が2021(令和3)年度から導入を進めている踏切監視システム(踏切の映像・動作記録を遠隔監視するもの)に,トヨタシステムズのAI画像解析技術を組み合わせたもので,踏切における異常検出・通知を行なうシステム構築に向けた検証を実施する.
現行における踏切内の異常を検知する装置は,「踏切内に物体が存在しているかどうか」を検知するが,踏切が動作して遮断桿が下りている間で踏切内に物体を検知すると,踏切周辺の信号機が自動的に反応して,付近を走行中の列車に異常を知らせている.
一方で,本実験では,上記の検知範囲を踏切カメラが撮影している「踏切周辺」にまで拡大したほか,AI画像解析装置がその映像を解析し,人や自動車などを検知して,踏切内での長時間の停滞など危険な状況にあるのかどうかを個別に判断する.
さらに,踏切の動作状況を監視している「踏切状態監視装置」がAI画像解析装置と連携することで,より実態に即した状況把握が期待できるとしている(例:列車が踏切に接近して,踏切の遮断桿が下りているときは,AIによる警戒レベルを上げる など).
実験は,名鉄河和線の住吉町1号踏切(住吉町駅南端)のほか,4箇所で行なわれ,順次増やす予定となっている.