京成電鉄は,2021(令和3)年度に鉄道事業において総額156億円の設備投資を実施すると発表した.
新造車両は,成田スカイアクセス用の3100形(8両×2編成)を導入する(1編成は9月に導入済み).駅施設関連では,2018(平成30)年度から進められている菅野駅のバリアフリー化工事(エレベータ,多機能トイレの設置)について,2021(令和3)年度中の事業完了を目指す.あわせて環境負荷の低減を図るため,各駅構内照明のLED化を進める.
押上線葛飾区内(四ツ木—青砥間)で行なわれている連続立体交差事業については,仮下り線の工事を進める.沿線地域防災への取組として,国の荒川下流特定構造物改築事業となっている京成本線荒川橋梁架替工事については,2022(令和4)年度に着手するための準備と架替に必要な鉄道用地の取得を進める.
安全対策の強化として,内方線付き点状ブロックの整備や宗吾参道駅などにおいて改修工事を実施し,ホーム縁端と車両乗降口の段差解消を図る.また安定輸送に向け,高圧配電線を従来よりも保安性の高いケーブル線に更新し,運行管理用ネットワークの機器更新を進める.
大規模地震対策として,京成大久保などの駅舎の耐震補強工事や法面補強工事,千葉中央—千葉寺間にある高架橋柱の耐震化を引き続き実施する.踏切設備については,検知精度の高い踏切自動障害物検知装置への更新や踏切監視カメラの更新などを進める,あわせて2021(令和3)年4月から順次使用を開始したデジタル方式の列車無線については,未設置の車両について引き続き車上設備工事を進め,運転規制などの情報を乗務員に文字で伝達するための追加工事を実施する.これにより,運輸指令と乗務員間の円滑な情報伝達が可能となり,異常時対応の迅速化を図る.
このほか,宗吾変電所の設備機器更新などを実施し,安定的な電力供給を図るほか,線路の下に撒く砕石の厚みを増す工事や,軌道変位が生じにくいマクラギ(ラダーマクラギ)への交換などを実施し,運転保安度の向上と乗り心地の改善を図る.
一部の写真は京成電鉄のニュースリリースから