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東急,地理情報と点群技術を活用した「鉄道版インフラドクター」を導入

東急,地理情報と点群技術を活用した「鉄道版インフラドクター」を導入

▲計測車両

東急電鉄では,道路維持管理システム「インフラドクター®」を鉄道の維持管理に応用した鉄道保守新技術(鉄道版インフラドクター)を,2021(令和3)年度に実施する建築限界検査とトンネル特別全般検査から導入すると発表した.鉄道版インフラドクターの実用化は,大手民鉄初の取組となる.

東急,地理情報と点群技術を活用した「鉄道版インフラドクター」を導入

▲実証実験で取得した3次元点群データ(二子新地駅)

 今回導入する「鉄道版インフラドクター」は,東急株式会社,首都高速道路株式会社,首都高技術株式会社が鉄道施設の保守点検および管理作業の精度向上と効率化を目的に共同開発を進めてきた技術で,レーザースキャナによる3次元点群データと高解像度カメラの画像データを取得・解析することにより,世田谷線・こどもの国線を除く東急線全線において,建築限界検査やトンネルの特別全般検査を行なうもの.
 これまで建築限界検査やトンネルの特別全般検査は,おもに終電後の夜間時間帯に技術者による目視や計測などにより実施してきた.とくに,トンネルの特別全般検査においては,現地に足場を組み立てて高所を含めたすべての部位を近接目視で検査を行ない,異常が疑われる箇所の打音調査などの実施,検査結果の変状展開図の作成など,多くの人手が必要となり,検査精度のバラつきや技術継承,技術者不足,検査費用の増加などが課題となっていた.

東急,地理情報と点群技術を活用した「鉄道版インフラドクター」を導入

▲高解像度カメラ画像

 「鉄道版インフラドクター」を導入することで,現地での人による検査や計測が機械計測に代替されることによるDX(デジタル・トランスフォーメーション)化を図る.あわせて3次元点群データや高解像度カメラ画像の解析により,トンネル各部位の浮きや剥離などの要注意箇所を効率的に抽出できるため,打音調査などが必要な箇所の絞り込みが可能となる.これにより,検査作業の効率化,検査精度の向上や技術継承支援につなげるとともに,検査費用を最大で約3割減少を目指し,鉄道維持管理における固定費削減につながるとしている.たま,計測した各データからトンネル壁面の展開図などが作成できるため,報告書の作成といった事務作業も大幅に省力化することが可能となる.さらに,「インフラドクター®」の特徴であるGISと3次元点群データ,全方位動画の連携によるデータマネジメントなど,施設管理の更なる高度化・拡張を図る.

写真はいずれも東急株式会社提供

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