京都市交,烏丸線用新形車両に京都の伝統産業素材・技法を活用

京都市交,烏丸線新形車両に京都の伝統産業素材・技法を活用

京都市交通局は,烏丸線用の新形車両について,外観や車内デザインに京都の伝統産業素材・技法を活用すると発表した.

京都市交,烏丸線新形車両に京都の伝統産業素材・技法を活用
京都市交,烏丸線新形車両に京都の伝統産業素材・技法を活用

 烏丸線では現在運用している10系20編成のうち9編成を,2021(令和3)年度から2025(令和7)年度にかけて置き替える計画で,新形車両の第1編成については,2022(令和4)年春の営業運転開始を目指し,現在,最終段階の仕上げを行なっている.新形車両の外観・内装デザインについては,「地下鉄烏丸線車両の新造にかかるデザイン懇談会」で議論され,最終的には,市民や利用者の投票により決定した.
 車両側面に設置される京都市交通局章は,材質をアルミとし,1枚の金属板を鎚(つち)で立体的なものや浮彫状に装飾を打ち出す金属工芸の「鎚起(ついき)」の技法を活用し,局章に凹凸状の鎚目(つちめ)模様を入れるとともに,烏丸線のラインカラーである緑色(エメラルドグリーン)に着色する.
 車内の車号標記・事業者標記の銘板については,鉄をベースとし,小さな金鎚で純金銀をはめ込む「京象嵌(きょうぞうがん)」の技法を活用する.標記銘板の四隅には,有職文様で縁起が良いとされている「幸菱(さいわいびし)」を施す.

京都市交,烏丸線新形車両に京都の伝統産業素材・技法を活用

 中間車(2号車〜5号車車内)の連結部扉上には,寺院などの伝統的な建築の装飾に用いられる「釘隠し」を,金属工芸の鏨(たがね)による,打ち出しや彫り技法により製作し,車内装備品のネジ隠しとして活用する.材質は銅とし,編成ごとにテーマを定めるとともに,車両ごとに異なる4種類のデザインとする.1編成目のデザインについては,「京の花」と「京の木」のテーマの中から,季節ごとに「サトザクラ(春)」,「シダレヤナギ(夏)」,「タカ オカエデ(秋)」,「ツバキ(冬)」を選定した.

京都市交,烏丸線新形車両に京都の伝統産業素材・技法を活用

 同じく2号車から5号車のつり手は,通常プラスチック製である鞘(さや)部分を「北山丸太」で製作し,帯締めや羽織紐などの和装に用いられる「京くみひも」を鞘に巻き付ける.鞘には「北山丸太」と「京都市交通局章」の焼印を入れ,「京くみひも」は,シンプルで馴染みのある組み方を選定.「襲(かさね)の色目」と呼ばれる平安時代以降の公家社会で用いられた衣服の色の取り合わせを参考にして,季節ごとに4種類のデザインで製作した.
 先頭車(1号車・6号車)の多目的スペース「おもいやりエリア」では,設置される立ち掛けシートの構造を工夫し,伝統産業の素材を飾り付けるガラス張りのスペースを設置.新形車両全9編成の両先頭車にそれぞれ異なる素材を採用する(全18種類).なお第1編成目には,「西陣織」と「京友禅」を選定し,1号車には素材提供もとの西陣織工業組合の協力により,京都市指定の伝統産業74品目の中から,新しく取り組んでいるタータンチェック柄のデザインを含む計8種類の西陣織の生地を採用する.
 6号車の「おもいやりエリア」には,1枚の白生地が京友禅として順番に仕上がっていくようすが分かるよう,各工程における実物の生地と写真をセットにして飾り付ける.

京都市交,烏丸線新形車両に京都の伝統産業素材・技法を活用

 このほか,局章(金属工芸),標記銘板(京象嵌),釘隠し(金属工芸),つり手(北山丸太,京くみひも)については,営業運転に先立ち2021(令和3)年10月中旬ごろから,数量限定の受注生産で一般向けの販売を開始する.また11月初旬ごろからは,ふるさと納税返礼品としても出品が予定されている.また,一般の方向け車両見学会が,2021(令和3)年10月ごろに開催が予定されており,いずれも詳細が決まり次第,京都市交通局WEBサイトなどで発表する.

画像はいずれも京都市交通局ニュースリリースから