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鉄道総研の「車両試験装置」が日本機械学会の機械遺産に認定される

鉄道総研の「車両試験装置」が日本機械学会の機械遺産に認定される

一般社団法人日本機械学会は,公益財団法人鉄道総合技術研究所の「車両試験装置」を2021(令和3)年度の機械遺産のひとつに認定したと発表した.
 機械遺産の認定は,2007(平成19)年に日本機械学会の創立110周年を記念して発足した事業で,日本国内に現存する歴史的に意義のある「機械遺産」を8月7日「機械の日」にあわせて認定するもの.これまで新幹線0系電動客車やウォシュレットGなどが認定されており,今回で15回目となる.
 車両試験装置は,旧国鉄が鉄道車両の走行状態を研究する目的で1959(昭和34)年に設置された.日立製作所が製造を担当し,車両1両を搭載した実車試験(最高速度250km/h)や,台車単体の試験(最高速度350km/h)を行なうことができる.線路の代わりとなる軌条輪上に車輪を載せて回転させ,上下・左右・ロール方向にも加振できる機能があり,高速走行時の車両運動特性試験や,駆動用電動機による外部駆動試験や変動負荷動力試験にも対応する.
 試験装置がすべて完成した1960(昭和35)年からは,当時開発中の東海道新幹線用試作台車による試験が開始され,この結果により台車の仕様が決定されるなど,新幹線車両の開発に大きく貢献した.その後,1990(平成2)年に完成した高速車両試験装置(最高速度500km/h)に主要な試験を譲ったものの,現在も試験装置として現用されている.
 2021(令和3)年度の機械遺産は上記の「車両試験装置」のほか,「現存する国産初の電気搾乳機 バケットミルカー DK-5II型(長野県)」や「平歯車研削盤 ASG-2形(埼玉県)」など合計9件が認定されている.

写真:日本機械学会WEBサイトから(公益財団法人鉄道総合技術研究所提供)

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