川崎重工は,川崎重工の米国現地法人Kawasaki Rail Car, Inc. (KRC:ニューヨーク州ヨンカース市)を通じて,ニューヨーク市交通局(以下NYCT)向けの新形地下鉄車両「R211」の初編成を納入したと発表した.
今回納入した車両は,2018(平成30)年2月に受注したベース契約535両のうち第1編成となる5両で,米国現地法人Kawasaki Motors Manufacturing Corp., U.S.Aのリンカーン工場(ネブラスカ州)で製造された.営業路線試験を含めた約1年の各種検証試験を行なった後,営業運転を開始する.
「R211」は,ニューヨーク地下鉄の近代化や継続的な利用者の増加や旅客サービス向上の計画にともない,既存車両「R46」の置換用として導入される.LED照明やデジタル表示器の採用や混雑時のスムーズな乗降を考慮し,従来よりも広いドアが特徴となっている.ベース契約には,車両貫通路を搭載した10両編成の試験車両が2編成含まれており,乗客の流動性改善効果の試験評価に使用される.
また上記の契約では,ベース契約に最大1077両のオプションが付随しており,すべて行使された場合には生産総数が1612両に達し,川崎重工における過去最大規模となる.
川崎重工は1982(昭和57)年に最初の受注車両となる「R62」以来,継続的にNYCT向けの製造を行ない,2,200両を超える納入実績がある.
写真:ニューヨーク市交通局向け新形車両「R211」(川崎重工ニュースリリースから)