JR東日本は,2021(令和3)年度の設備投資計画を発表した.設備投資額は連結(輸送サービス,生活サービス,IT・Suicaサービス)で6740億円,単体では5510億円を計画している.
2019(令和元)年10月の「台風19号」で被災した北陸新幹線のE7系については,復旧に向けた車両新造を引き続き行なう.横須賀・総武快速線では,E235系を引き続き投入して環境負荷低減を目指す.各乗務員職場に整備した乗務員訓練用のシミュレータについては,訓練可能エリアの拡大やワンマン運転に関する改良工事を進め,安全・安定輸送の向上を図る.
また,大規模地震対策や踏切事故対策などの安全対策を進め,運転保安装置整備拡大などの安定輸送対策も実施する.駅ホームの安全性向上を目的に進めているホームドア整備については,京浜東北線田端駅や横浜線新横浜駅,南武線武蔵小杉駅などで使用が開始される予定.
技術革新についても積極的に取り組み,ワンマン運転の拡大やレール輸送用新形気動車の導入など,生産性向上や働き方改革を目指すほか,利用客が使いやすく,わかりやすい駅を目指し,エレベータや案内表示などの駅設備改良を進める.
駅ビル開発などでは,2021(令和3)年6月の全体開業を予定するJR川崎タワーや,2022(令和4)年3月に竣工予定の「MEGURO MARC JR目黒MARCビル」の工事を進めるとともに,品川・渋谷などの大規模ターミナル駅の開発を進める.
また,地域や観光客向けの次世代モビリティサービス「MaaS」(モビリティ・アズ・ア・サービス)を東北6県8エリアで展開するほか,JR東日本アプリや「Ringo Pass」の開発を継続し,情報・購入・決済などのサービスを充実させる.あわせて,「JRE POINT」の利用拡大も進める.このほか,地域連携ICカードの導入により,ICカードが利用できる地域交通機関を拡大し,青森,八戸,秋田,岩手(県北),山形,群馬の各エリアにおいて,2022(令和4)年春のサービス開始を予定する.
写真はいずれもイメージです.