京成電鉄と北総鉄道は,2021(令和3)年4月17日(土)から,デジタル方式の列車無線の使用を順次開始すると発表した.
列車無線は,列車運行を管理している運輸指令と列車乗務員との間の情報伝達や,事故・災害発生時などに異常を知らせる信号を発報するもので,周囲の列車を停止させ,事故の拡大を防ぐ役割ももつ重要な保安設備.
これまでのアナログ方式は,線路の脇に電線(誘導線)を設置し,誘導線と車両上に設置されたアンテナとの間で通信を行なうもので,京成電鉄で1969(昭和44)年から,北総鉄道では1979(昭和54)年の開業当初から使用している.今回導入されるデジタル方式では,携帯電話のように無線基地局のアンテナを設置し,空間に電波を飛ばして車両上に設置されたアンテナと通信する.
両社では,2018(平成30)年度から列車無線のデジタル化を進めており,デジタル化に必要な地上基地局のすべてと車両の車上設備の一部の工事が完了したことから,使用を開始する.列車無線のデジタル化により,これまでよりも高品質な通話の実現と円滑な情報伝達が可能となり,異常時対応の迅速化を図る.未設置の車両についても車上設備工事を進め,順次デジタル方式の列車無線に切替えを行なう.
写真はいずれも京成電鉄のニュースリリースから