日立製作所のグループ会社である日立レールワシントン社は,米国Washington Metropolitan Area Transit Authority(ワシントン首都圏交通局)と,同社が運営する路線向けの地下鉄車両「8000系」256両の設計・製造に関する契約を締結したと発表した.
本契約には,オプションとして最大800両の設計・製造に関する契約が含まれており,契約金額は最大で22億米ドル(約2398億円)となる.
ワシントン首都圏交通局は,米国の主要な公共交通機関であり,地下鉄全6路線で91駅を保有する.現在,1292両の車両が運転されており,総延長距離は118マイル(約190km)になる.この地域の雇用の半数以上は,ワシントン首都圏交通局が運営する地下鉄の駅と,バスの停留所より半径0.5マイル(約0.8km)以内から創出されている.
8000系は,回生ブレーキや換気システムの改善や,高精細カメラやセキュリティ強化のための厳格なサイバーセキュリティ要件を取り入れる.また既存車両に比べ軽量で,安全かつエネルギー効率が高い走行を行なう.両社は,サステナビリティへの取組を共有しており,今回の新形車両にもその取組が反映される.新形車両の車内には,多くのデジタル画面やリアルタイム情報,ダイナミックマップ,携帯電子機器用充電コンセント,車内全体に取り付けられた手すりなど,乗客の移動体験を一段と向上させるものとする.
なお,日立レール社は,新たに現地に建設予定の工場において新形車両の製造・組立を行ない,最初の車両は2024(令和6)年に納入される予定.
画像:納入される車両イメージ(日立製作所のニュースリリースから)