JR北海道は,釧網本線(釧路—標茶間)で運転している“SL冬の湿原号”について,リニューアルを実施すると発表した.
けん引機のC11 171は,車両新製から80年,2013(平成15)年の全般検査から8年経過しており,台枠や台車など主要部品に摩耗やひびが発生するなど,検査ごとで修繕する必要があるとし,2021年(令和3年)に苗穂工場で全般検査を実施する.蒸気機関車の心臓部であるボイラは大阪の業者へ搬送し,修繕・性能検査を行なう.
14系客車(1・3〜5号車)については,スハフ14の発電エンジンが,1972(昭和47)年製および1980(昭和55)年製のため,老朽化が進んでいることや,同形エンジンの製造中止のため修繕部品の入手ができないため,台車部品などとともに交換する.また車体外板や客室の腰掛,トイレなども老朽化していることから,乗客の要望を反映した車両のさらなる魅力アップのため,内装のリニューアルを実施する.
カフェカーのスハシ44 1(2号車)についても,車体外板や木材を使用した内装品などの劣化が見られるため,旧形客車のレトロな雰囲気を損なわないよう,内装リフレッシュを行なう.なお,客車内装のリニューアル工事については,2021(令和3)年度と2022(令和4)年度に分けて実施し,各年度の“SL冬の湿原号”については通常どおり運転する.
工事費は,C11 171の全般検査が1億円,客車内装リニューアル工事が2億円,客車老朽機器交換(エンジンなど)が1億円としている.
写真はいずれもJR北海道のニュースリリースから