東芝インフラシステムズは,JR東日本のE235系1000番代向けに,非常走行用電源装置などを納入したと発表した.
採用されたのは,東芝インフラシステムズの独自技術を使用した非常走行用電源装置,補助電源装置,主電動機,主幹制御器で,このうち非常走行用電源装置は,JR東日本の営業車両に初めて搭載されたもの.
非常走行用電源装置は,東芝インフラシステムズとJR東日本が共同開発したもので,通常時は架線からの電力を蓄電池に充電し,非常時は蓄電池の電力のみで主電動機を駆動して最寄駅などまでの走行が可能となる.
蓄電池には東芝インフラシステムズのグループ会社が製造したリチウムイオン二次電池「SCiB™」を用いており,高い安全性,1万回以上の充放電が可能な長寿命,マイナス30℃の環境下にも耐え得る低温度動作などの優れた特性がある.とくに安全性においては,外圧が加えられて内部短絡が生じても異常発熱や発火を起こしにくい構造としている.
なお,東芝インフラシステムズは「SCiB™」を使用した蓄電池システムで,鉄道車両に要求される欧州規格EN50126(RAMS:信頼性,有効性,保守性,安全性の仕様と実証)とRAMSの安全性(Safety)に関する「EN50129」の認証をSIL4(Safety Integrity Level 4/最高水準)として世界で初めて取得している.
特記以外の写真は東芝インフラシステムズ提供