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JR九州,香椎線で自動列車運転装置を用いた営業運転を開始

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2020年12月25日掲載
JR九州,香椎線で自動列車運転装置を用いた営業運転を開始

JR九州は,2020(令和2)年12月24日(木)から,香椎線において,自動列車運転装置を用いた営業運転を開始したと発表した.

JR九州,香椎線で自動列車運転装置を用いた営業運転を開始

 これは,香椎線の西戸崎—香椎間に「ATS-DK」をベースとした自動列車運転装置を整備し,在来線における自動運転列車の運行に関する知見を蓄積するもの.「ATS-DK」は,運転士が乗務した状態で,従来の自動列車停止装置に,停止(赤)信号の冒進を防ぐ機能を強化し,速度超過の防止機能を付加したもので,当面の間は,運転士が乗務した状態の営業列車で運転を行なうが,将来的には,運転士以外の係員が前頭に乗務する自動運転(GoA2.5)の実現を目指しており,「鉄道における自動運転技術検討会(国土交通省鉄道局)」での議論を踏まえつつ,取組を進める.
 車両は,BEC819系(DENCHA) 1編成(2両)を使用し,自動列車運転装置による車両制御の安定性や,運転取扱いの変更点における検証を行なうとともに,運転士の心理的影響を把握する.対象列車は,香椎線9時台から20時台の上下あわせて24本で,うち上り列車1本は宇美始発であるため,宇美—香椎間は手動運転とする.

JR九州,香椎線で自動列車運転装置を用いた営業運転を開始

 国内の鉄道の自動運転は,これまでATCを整備した路線でのみ実用化されてきたが,JR在来線の98%,私鉄とあわせても91%がATS区間であり,ATC化には莫大な設備投資が必要とされている.運転士が乗務する形態ではあるが,ATS区間での自動運転は国内で初めての試みとなる.

JR九州,香椎線で自動列車運転装置を用いた営業運転を開始

▲香椎線のようす(踏切あり,隔壁なし)

 また,ホームドアがない区間や地上区間での実施例があるが,踏切がある区間での自動運転は国内で初めてとなる.なお,実証運転では運転士(将来的にはGoA2.5係員)が前頭に乗務し,前方の異常や危険を発見すれば緊急停止操作を行なう.

JR九州,香椎線で自動列車運転装置を用いた営業運転を開始

 このほか,乗入れ先の路線にATOが整備されているために,JRの保有車両がATOを搭載した例(福岡市営地下鉄乗入れ対応の303系・305系)はあるが,JR線にATOを整備するのは初めてとなる.
 今後は,2021(令和3)年度末までに運転士が乗務した状態でATS-DKをベースとした自動列車運転装置を用いた営業運転の区間拡大(香椎—宇美間)と対象列車の拡大を目指す.

写真・画像はいずれもJR九州提供