東武鉄道では,今後の安定的な蒸気機関車事業の継続に向け,蒸気機関車機関士の自社養成を開始したと発表した.
2017(平成29)年8月から日光・鬼怒川エリアの活性化や鉄道産業文化遺産の保存と活用などを目的に,蒸気機関車の復活運転を実施しているが,運転開始当時は,東武鉄道よりも先に蒸気機関車を運転している秩父鉄道・大井川鐵道・真岡鐵道に協力を仰ぎ,現在に至るまで6名の蒸気機関車機関士を養成している.2020(令和2)年12月下旬からは,蒸気機関車機関士に必要な知識や技能の習得を図るため,東武鉄道単独で養成を開始し,国土交通省公示の試験にて蒸気機関車運転免許取得を目指す.これにより,要員面での安定的な体制が整い,蒸気機関車事業の持続性を強化するとしている.
2020(令和2)年12月26日(土)からは,2機目の蒸気機関車となるC11 325が運転開始を予定し,SL「大樹」は1日最大4往復8本の運転も可能となる.2021(令和3)年夏以降は,日光・鬼怒川エリアにおいて毎日運転を予定しており,さらなる取組として蒸気機関車増備による3機体制を目指している.これらの車両面での整備にあわせ,東武鉄道単独での蒸気機関車機関士養成を実施し,ハード・ソフト両面において蒸気機関車事業を進めることで,日光・鬼怒川エリアの活性化に寄与する.
このほか,2021(令和3)年1月17日(日)から5月ごろまでのSL「大樹」については,C11 325による単機けん引運転を中心に行なうことが発表された.これは,C11 207が長期的な定期検査に入ることから実施するもので,原則C11 325+車掌車+客車3両による運転とする.
なお,SL大樹「ふたら」の運転日には,補機としてDE10形を連結する.また,SLの点検時に異常が確認された場合には,列車の運休またはDL「大樹」による代替運転となる場合があるとしている.
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