三菱商事は,エジプトの大手建設会社であるOrascom Construction(以下:Orascom)ほかとコンソーシアムを組み,エジプト運輸省のトンネル公団(National Authority For Tunnels/以下:NAT)から,カイロ地下鉄4号線第一期向け鉄道システム納入を受注し,約900億円で契約を締結したと発表した.
三菱商事は本プロジェクトにおいて,商務関連とシステムに必要な機器供給を担当し,Orascomは土木工事と車両運転指令所などの建屋建設を担当する.プロジェクトには国際協力機構(JICA)による円借款が供与され,日本の鉄道技術の活用が期待されている.また,エジプトで初めて本邦技術活用条件(Special Terms for Economic Partnership:STEP)が適用された円借款事業となる.
カイロ地下鉄4号線第一期は,カイロ中心部から大カイロ都市圏の南西部に位置するピラミッドを結ぶ新路線となる.首都カイロでは,都市化の進展による急激な人口増加や自動車台数の増加にともない,公共交通機関の整備が急務となっている.本プロジェクトは,大カイロ都市圏の交通渋滞緩和に大きく貢献することが期待され,路線がカイロ中心部とピラミッドや現在建設中の大エジプト博物館を結ぶことから,観光大国カイロにおいて観光路線としても大きく注目されている.
なお三菱商事は,エジプトにおいて過去50年以上にわたり,約1600両の鉄道車両の納入実績がある.