小田急電鉄は,2021(令和3)年春に,最終列車と一部の始発列車の運転時刻の変更を中心としたダイヤ改正を実施すると発表した.
これは,夜間を中心に行なう鉄道メンテナンスの担い手不足への対応や,安全・防災対策のための工事時間の確保が課題であることに加え,新型コロナウイルスの影響による在宅勤務の浸透や外出機会の減少など,夜間を中心とした利用が大きく減少していることから,鉄道メンテナンス体制の持続性を高める目的で実施する.
最終列車については,24時台を中心に20分程度時刻を繰り上げ,始発列車については,4時台を中心とした一部列車を対象に10分程度時刻を繰り下げる.これにより,最終から始発列車までの間合いを4時間程度に延長する.また,最終・始発列車の運転時刻の変更にあわせ,夜間・早朝の一部列車の運転時刻を変更する.
このダイヤ改正により,最終列車から始発列車の間に実施する鉄道メンテナンスの業務効率の向上や,駅構内設備(エレベータ,エスカレータ,ホームドア)の新設・改良,橋りょうの架け替えなどの安全・防災対策工事において,工期短縮などを進め,担当部門や協力会社における働き方の改善を図る.あわせて,車両や駅,運転部門の深夜の労働負荷も軽減することで,鉄道運行の持続性を高め,より安全・安心・快適な輸送サービスの提供に努めるとしている.
このほか,年末などの繁忙期には「3密」対策のため,臨時列車の増発などを検討する.ダイヤ改正日や詳細な運転ダイヤは,2020(令和2)年12月中に発表する.
一部画像は小田急電鉄提供