京王電鉄は,2020(令和2)年度に鉄道事業において,総額225億円の設備投資を行なうと発表した.
車両については,京王線8000系2編成(16両),井の頭線1000系2編成(10両)のリニューアル工事を実施する.このリニューアルでは,車いす・ベビーカースペースを全車両に拡大するほか,VVVFインバータ制御装置の更新にあわせ,より省エネ性能の高い新形のVVVFインバータ制御装置を導入し,運転用電力を削減する.井の頭線1000系については,車内ドア上に液晶ディスプレイを2画面設置し,運行案内やニュース・天気予報などのコンテンツ,交通広告を放映する.これにより,井の頭線ではすべての車両に車内液晶ディスプレイの設置が完了する.照明の省エネルギー化として,笹塚・つつじヶ丘などのホーム・コンコース照明,京王線9000系車両8編成(16両)の前照灯のLED化工事を実施する.
京王線笹塚—仙川間の連続立体交差事業については,引き続き用地取得や土留杭の設置,高架橋基礎杭の構築などを進める.
ホームドア整備については,2020(令和2)年5月に飛田給駅1番線へ設置し,同駅における全番線への整備が完了した.下北沢では,ホーム補強工事を進める.京王稲田堤1番線においては,ホームと車両の隙間対策として転落防止ゴムを設置する.あわせて,ホーム縁端部の視認性向上を目的として,注意喚起ラインを計11駅に施工する.また,大規模地震に備えて鉄道施設の耐震性を向上させるため,高架橋や盛土区間,トンネル部(新宿—笹塚間)などの耐震補強工事などを実施する.自然災害対策では,高尾線の線路脇斜面を防護する工事のほか,井の頭線の強風による列車遅延対策として,駒場東大前—池ノ上間に防風壁を設置する.
駅のリニューアルについては,新宿駅京王新線口において,旅客トイレのバリアフリー化を目的とした改修工事を2020(令和2)年6月に実施したほか,9月に改札外の段差解消用として,エレベータを新設した.仙川駅では,2018(平成30)年度から実施してきた旅客トイレ改修やエスカレータ新設に続き,2020(令和2)年8月に駅併設店舗へ直通する出口専用改札口を新設した.さらに9月には,下りホームと改札階を結ぶエレベータを更新・大形化し,リニューアル工事が完了した.
踏切における安全対策では,井の頭線全31ヵ所の踏切道に監視カメラが設置が完了したほか,踏切障害物検知装置については引き続き整備を進める.
特記以外の画像は京王電鉄提供