パナマ共和国のパナマメトロ3号線建設にあたり,モノレールシステムの納入を予定している日立製作所と,日立の鉄道システム事業におけるグループ会社である日立レールSTS社,三菱商事の3社による企業グループは,プロジェクト全体を取りまとめる主契約者の「HPH Joint Venture」(大韓民国/現代建設・POSCO建設・現代エンジニアリングの3社で構成される企業連合)との間で,サブコントラクター契約を約920億円で締結したと発表した.
パナマメトロ3号線は,全長約25km,合計14駅の高架モノレール路線で,2025(令和7)年中ごろに営業運転を開始する予定.パナマ共和国の首都パナマシティ中心部と,近年開発の進んでいる西側地区を円滑に結び,険しい山岳地帯や急勾配を避けながらパナマ運河を横断する.パナマでは,大都市における慢性的な交通渋滞などが課題となっており,同路線の開業により,道路交通の混雑緩和と環境負荷低減を目指す.また,年間数十万人の乗客が利用することが期待されており,同路線の開発期間中,約800名の現地雇用の創出が見込まれるとしている.
本プロジェクトにおいて,日立製作所は車両(168両・28編成)の製造,日立レールSTS社は信号・通信・変電システム,三菱商事は商務関連を担当する.さらに,都市の交通機能の改善や気候変動対策への取組支援として,国際協力機構(JICA)から円借款が供与され,貸付資金は土木工事やモノレールシステムの調達などに充当される.
画像はいずれも日立製作所・三菱商事の共同ニュースリリースから