JR東海は,2020(令和2)年10月19日(月),超電導リニア改良形試験車の車内を山梨リニア実験センターで公開した.
山梨リニア実験線は,改良形試験車の投入に向けた準備のために,2019(令和元)年10月から走行試験を休止していたが,2020(令和2)年8月から走行試験を再開している.改良形試験車は,営業車両の仕様策定に向け,L0系をさらにブラッシュアップしたもので,先頭車1両を日立製作所,中間車1両を日本車両が製造した.2両は既存のL0系5両と組み合わせた7両編成のB編成とし,既存のL0系5両で組成されるA編成も継続して走行試験を実施する.
先頭車の天井部分は白を基調とし,継ぎ目のない膜素材を採用することで車内の反射音を低減している.荷棚も小形化し,広がりのある天井空間としたほか,照明も天井の膜素材をとおすことで,温かみのある室内を演出している.
中間車の天井部分は,先頭車と異なり,凹凸のある吸音素材(ガラス素材)を採用することで車内の反射音を低減している.荷棚はシンプルな構造として広い空間を確保し,明るい直接照明(昼白色LED)を採用することで,トンネルの多いリニアの車内空間を明るく演出している.
座席にも改良が加えられ,多層構造のクッションを背もたれと座面に採用した新方式のクッションとし,背もたれの高さや座面幅,耳部バケットを拡大している.また,リクライニング連動座面として身体全体が背もたれと座面に接触するようにし,インアームテーブルとUSBコンセントが設置されている.
荷物置場については,座席上の荷棚のほか,全座席の足元に小形荷物用のスペースを確保した.また,大形荷物用として,客室妻面にスペースと荷棚を設置している.
写真はいずれもJR東海提供