JR九州では,2020(令和2)年10月16日(金),新たなD&S列車『黒い787「36ぷらす3」』が運転を開始した.
鹿児島中央駅で開かれた出発式では,列車の名前にちなんで「36歳と3歳」の3組の親子が1日駅長を務め,黒メタリックに輝く生まれ変わった787系は,駅に集まった約200名のファンの声援を受け,地域の魅力を発信する新たな旅に出発した.
『黒い787「36ぷらす3」』は,787系を改造し,1号車からクモロ787-363+モロ786-363+サロシ786-363+サロ787-363+モロ787-363+クモロ786-363の6両編成となっている.
「九州のすべてが,ぎゅーっと詰まった“走る九州”といえる列車」をコンセプトとし,「36ぷらす3」という列車名には,「世界で36番目に大きい島,九州全県を巡る同列車が,5つのルートに,九州を楽しむ35のエピソードをぎゅーっと詰め込んで,乗客を迎え,全ルート楽しんで,乗客自身に『36番目のエピソード』を語ってもらう」という想いや「この列車で,驚き,感動,幸せを届け,『お客さま,地域の皆さま,私たち』でひとつになって,39(サンキュー!)=感謝の輪を広げていく」という想いが込められている.
「36ぷらす3」では,各ルートでテーマとなる「色」を決め,その色にちなんだ地域のエピソードを紹介する.また食事付きプランでのディナーやランチには,九州各地でその地域の食材をメインに調理を行なう店舗などが参画し,食事を提供する.
金曜日は「黒の路」をテーマに,鹿児島中央12:16発→宮崎15:57着で運転し,途中の大隅大川・青井岳に停車.このうち大隅大川では,曽於市の「たか森カフェ」協力のもと,カフェや特産品販売など,地元のおもてなしを行なう.
土曜日は「緑の路」をテーマに,宮崎空港11:25発→宮崎11:43発→大分16:23着→別府16:46着で運転し,途中の延岡・宗太郎・重岡に停車する.このうち延岡・重岡の各駅では特産品販売など,地元のおもてなしを実施する.
日曜日は「青の路」をテーマに,大分11:30発→別府11:43発→小倉15:01着→博多16:32着で運転し,途中の杵築・中津・門司港に停車する.杵築・中津の各駅では特産品販売など,地元のおもてなしを実施するほか,門司港駅では自由散策の時間が設定される.
月曜日は「金の路」をテーマに,往路は海外とつながる重要なルートとなった西九州・長崎へ向かう.博多10:51(休日11:05)発→長崎15:36着で,途中の佐賀・肥前浜に停車する.このうち肥前浜では,日本酒バーや特産品販売,宿場町散策など地元のおもてなしを実施する.また復路は,長崎17:30発→博多21:03着で,途中の佐賀に停車する.全ルート内唯一のディナータイム運行とし,ディナープランの乗客には,九州のお酒にあう食事が提供される.
このほか,木曜日に運転する「赤の路」が設定されているが,10月16日(金)現在,肥薩おれんじ鉄道(八代—水俣間)が, 「令和2年7月豪雨」の影響で運転を見合わせている(運転再開は11月1日を予定)ことから,今後の運転計画については,決まり次第発表される.
「赤の路」は,博多9:52(休日9:58)発→鹿児島中央16:24着で運転し,玉名・熊本・牛ノ浜に停車する.このうち玉名・牛ノ浜の各駅では特産品販売など,地元のおもてなしを実施する予定.
写真はいずれもJR九州提供
※走行写真は,試運転時のものです.