東武鉄道は,2020(令和2)年度に鉄道事業において総額219億円の設備投資を行なうと発表した.
車両については,さらなるシームレスな特急輸送サービスを提供することを目的に,500系3編成9両を増備する.あわせて特急車両100系2編成・500系6編成に荷物置き場を新設する.
また,東京メトロ日比谷線直通「THライナー」用の70090形については,2編成14両を導入し,日光線南栗橋以北と宇都宮線で運転される20400形については,4編成16両を20000系から改造する.
SL「大樹」については,蒸気機関車2機体制に向け,すでに蒸気機関車の補機となるディーゼル機関車の購入や下今市SL機関庫の増築工事を実施しており,2020(令和2)年10月からは日光線(下今市—東武日光間)において“SL大樹「ふたら」”の運転開始する(鉄道ニュース8月6日掲載記事参照).
駅設備の改良では,伊勢崎線(東武スカイツリーライン)北越谷,宇都宮線 南宇都宮,東上線 朝霞・川越・鶴ケ島の各駅舎がリニューアルされる.駅トイレのリニューアルについては,伊勢崎線(東武スカイツリーライン)西新井・新田,日光線 南栗橋,東上線 和光市・小川町で,それぞれ実施される.あわせてバリアフリー化を推進し,エレベータ・エスカレータのリニューアルが実施されるほか,エレベータ内に防犯カメラを設置する.
ホームドアについて,2020(令和2)年度は,伊勢崎線(東武スカイツリーライン)北千住(3階)・新越谷・北越谷,東上線 志木(1・2番線)で整備が完了予定のほか,伊勢崎線緩行線10駅(小菅—西新井,谷塚—蒲生,越谷駅)で調査・設計を実施する.また,2021(令和3)年度以降は利用者数がとくに多い区間および5万人以上の駅(29駅)で整備される予定.
伊勢崎線(東武スカイツリーライン)竹ノ塚付近の高架化については,上り急行線を高架化し,その後上下緩行線高架橋の工事を進める.とうきょうスカイツリー付近の高架化については,上り線高架橋工事を進める.春日部駅付近の高架化については,工事着手に向け,設計業務などを引き続き進める.
野田線(東武アーバンパークライン)清水公園—梅郷間で進められている連続立体交差化工事については,2020(令和2)年度末の踏切除却を目指し,高架橋工事,軌道・電気関係工事,駅施設工事などを引き続き進める.
このほか,高架橋および橋りょうの耐震補強など自然災害への備えの強化,踏切の安全性向上のため,検知範囲の広いレーダ式踏切支障報知装置への更新や,ATS(自動列車停止装置)と連動した「非常押しボタン」の設置,全方向に光る踏切せん光灯へ更新が予定されている.また,列車内のセキュリティ向上として,500系(3編成)・70090形(2編成)に車内防犯カメラを設置する.