熊本電気鉄道は,鉄道旅客運賃の上限認可申請書を,国土交通省九州運輸局長あてに提出したと発表した.
平均値上げ率は普通旅客運賃が10.77%,通勤定期旅客運賃が11.07%,通学定期旅客運賃が11.13%で,普通旅客運賃では2kmまでの初乗り運賃が160円(現行140円),4km〜5kmまでが250円(現行200円)などとなる.
同社では,2008(平成20)年4月の上限改定を実施以降,12年以上にわたり消費税引上げを除いて運賃改定を実施せずに運賃を維持してきたが,累積赤字は過去67年間で約24億円となり,直近3ヵ年における累積赤字額も7000万円を超えている.
このような状況の中,運行の安全性向上のために道床砕石化と全線のコンクリート枕木化(現在部分的な交換としているものを今後約10年間で交換する計画)や,導入から約20年経過した車両については2014(平成26)年度から2022(令和4)年度の間に2両7編成導入し更新などを行なった一方,利用者は,過去10カ年で増加傾向にあったが,事業収入が設備投資費用を上回っていないのが現状であり,今後も輸送の安全を確保し続けるには,諸経費の増大は避けられず,厳しい事業運営が続くことから,今回の運賃改定に至った.
今回の申請が認可された場合,2020(令和2)年10月1日(木)から新しい運賃が適用される予定.