JR東海と公益財団法人鉄道総合技術研究所は,山梨リニア実験線の走行試験を2020(令和2)年8月17日(月祝)から再開すると発表した.
山梨リニア実験線は,超電導リニアL0系の改良形試験車の投入に向けた準備のために,2019(令和元)年10月から走行試験を休止していたが,同日から改良形試験車を用いた走行試験を実施する.
改良形試験車は,営業車両の仕様策定に向け,L0系をさらにブラッシュアップしたもので,先頭車両1両と中間車両1両を製作.カラーリングは,これまでの試験車と同様白地に青帯を採用しているが,進化し続ける躍動感と新しい先頭形状での滑らかな空気の流れを,青の流線で表現した.既存のL0系先頭車に搭載されていたガスタービン発電装置をなくし,誘導集電方式を採用しており,これにより,車両機器への電力を非接触で供給が可能となる .燃料を使用することもなくなり,車両からの排気ガスも出ないことから,環境面にも優れた電源装置となる.
また,先頭部は凹凸を際立たせ,丸みを帯びた先端部とすることで,先頭部にかかる空気抵抗を約13%下げ,消費電力や車外騒音の低減を実現している.さらに前照灯と前方視認用カメラ位置は上部に変更し,前方視認性が向上している.
今後は,既存のL0系と組み合わせて走行試験を実施し,走行試験予定については,超電導リニアのページで最新の情報を発表する.