京阪電気鉄道では,2020(令和2)年4月13日(月),近畿運輸局長あてに鋼索線(石清水八幡宮参道ケーブル)の旅客運賃変更認可を申請したと発表した.
改定率は50%で,普通運賃は現行の200円から300円に改定される.定期旅客運賃は,通勤定期1ヵ月で現行の3600円から5400円に改定され,今回の申請が認可された場合は,2020(令和2)年6月1日(月)から適用される.
鋼索線は,ケーブル八幡宮口—ケーブル八幡宮山上間の0.4kmを結び,石清水八幡宮への参拝者輸送を主目的に整備された.輸送人員については,1978(昭和53)年の69万1千人をピークに減少しており,2018(平成30)年度は35万6千人まで減少.その一方で,1995(平成7)年に現行運賃へ改定後,安全確保に取り組みつつ費用削減なども実施してきた.
2019(令和元)年6月には,巻上装置の制御装置や誘導無線や索条の更新など,約1ヵ月の運転休止をともなう工事を実施.これにあわせて,車両外観デザインの一新などのリニューアルを実施したほか,同10月には駅名変更(ケーブル八幡市→ケーブル八幡宮口,ケーブル男山山上→ケーブル八幡宮山上)と駅舎美装化を実施した.
こうした中,従来からの慢性的な赤字状態に加えて各施策の費用が増大したこともあり,近年インバウンドを含む観光客が増加していることを考慮しても,収支状況はたいへん厳しく,現行運賃のままでは赤字状態の改善は見込めない状況にあるとし,今後も安全快適な輸送環境を安定的に維持していくことや,旅客誘致による地域活性化に貢献していくことを目的に,運賃の改定を申請に至った.
なお,2020(令和2)年度の取組として,交通系ICカードへの対応が予定されている.