JR東日本では,小海線(小淵沢—小諸間:約79km)において,2020(令和2)年4月20日(月)の初列車から,「無線式列車制御システム」を導入すると発表した.
小海線での現行システムは,運転士が列車内に設備されているスイッチを扱うことで信号機を制御する「閉そく方式」を使用している.また列車制御方式は,地上子とケーブル類で構成され,多くの地上設備を設ける必要がある.今回導入する「無線式列車制御システム」は,列車と地上設備が双方向に無線通信をすることにより,従来と比較して地上設備をスリム化することができ,閉そく方式・列車制御方式の機能向上を図る.
現行システムでは,線路上に設置されている地上子から信号機の条件に応じた情報(非常ブレーキ情報など)を伝送しているが,新しいシステムでは信号機の条件を無線で伝送することで,車上で速度照査パターンを作る.これにより,車上で速度を常時チェックし,そのパターンを超えた場合はブレーキ制御を自動的に行なう.また,運転士によるスイッチ扱いで行なっていた信号機の制御については,列車ダイヤにもとづき,自動で信号機の制御を行なう装置を採用する.これにより,指令から列車の運行管理が可能となり,輸送に対する柔軟性の向上が図られる.
このほか,各駅に分散して設置されていた連動装置を1ヵ所に集約することで,設備のスリム化を図り,設備点数が少なくすることで,設備に起因する故障リスクが低減するとしている.
導入に先立ち,4月19日(日)の終列車から同20日(月)の初列車の間で切換工事を実施する.なお,切換工事の予備日は4月26日(日)の終列車から同27日(月)の初列車までの間で,この場合は4月27日(月)からの使用開始となる.
写真・画像は特記以外,JR東日本のニュースリリースから