JR四国は,2020(令和2)年2月21日(金),「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」を多度津工場で報道陣に公開した.
「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」はキハ185系を改造した2両編成で,1号車「KUROFUNE(クロフネ)」がキロ185-1867,2号車「SORAFUNE(ソラフネ)」がキロ185-1868となっている.キロ185-1867は,もとキハ185-1015を,キロ185-1868は,もとキハ185-25を,それぞれ多度津工場で改造したもので,高知運転所に配置される.
1号車の車体両側面には,はるか水平線の先を見つめる龍馬像と,明治期の文明開化のイメージを彷彿とさせる蒸気機関のモチーフを描かれている.2号車の車体両側面には「夜明け」の太陽と青空に輝く太陽,さらに新たな旅をイメージしたロケットエンジンのモチーフが描かれている.
内装は,蒸気機関,ロケットエンジンデザインのダイナミズムを,新たな旅への高揚感のモチーフとして,明治期の装飾表現と融合させた「空」想ファンタジーデザインとした.連立する照明ポールや可変テーブル支柱を,張り巡らされた機械配管の疑似デザインとして表現し,機械美に幻想性を重ねあわせている.
1号車「KUROFUNE」は,果てなき青空のもと,仲間たちと新たな時代への「志」を語りながら大海をゆく蒸気船をモチーフに,文明開化期から萌芽する19世紀末芸術を想起させるデザインとした.また2号車「SORAFUNE」は,大空のその先,大気圏を突き抜けた宇宙空間までにも繋がる未来への「夢」をコンセプトに,レトロSF小説で描かれる空想科学上の宇宙船をイメージとした.
「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」は,2020(令和2)年4月18日(土)から土讃線高知—窪川間で運転される.
写真はいずれも編集部撮影