国土交通省は,広島電鉄が申請していた駅前大橋から広島駅南口広場を結ぶ,新規ルートの軌道事業特許申請について,2019(令和元)年11月29日(金)付けで申請通り特許し,同日,中国運輸局長から申請者に対して特許状を交付したと発表した.
広島電鉄の広島駅停留場については,列車の定時性や速達性の確保が課題となっており,現状では路面電車が地上を走行するため,車と信号による影響で,ラッシュ時に停留場に進入できない車両が行列をつくっている状況にある.また,路面電車の広島駅停留場への進入ルートがう回しており,中心部からの所要時間が長いなどの課題が出ていた.
これらの課題に対応するため,路面電車を駅前大橋ルートから駅前広場へ高架で進入させ,定時性・速達性を確保する.さらに,市内中心部の環状ルート(的場町—紙屋町東—皆実町六丁目—的場町間)を新たに整備し,利用者利便向上を図る.
開業目標は2025(令和7)年春で,延伸区間の総延長は1.1kmとなる.停留場については,新設が1ヵ所,変更が2ヵ所,廃止が1ヵ所としている.また,総事業費は109億円で,このうちインフラ部の約83億円については,国・自治体の負担を想定.インフラ外部の約26億円については,国・自治体が1/6ずつの負担,事業者が2/3の負担を想定している(国負担分は,社会資本整備総合交付金を想定).
この事業により,中心部と広島駅間の乗車時間が約4分短縮され,広島駅でのJR線との乗換時間が約1分短縮される.
写真:特記以外はすべて国土交通省ニュースリリースから