横浜高速鉄道と横浜国立大学・超スマート社会研究機構(SSCL)・オプテージでは,みなとみらい線馬車道駅において,「地下鉄の再エネを最大限活用したゼロエネルギー空調システムの開発・実証」に取り組むと発表した.
これは,環境省におけるCO2排出削減対策強化誘導形技術開発・実証事業の採択を受けて,2019(令和元)年度から2021(令和3)年度までの3年間実施し,地下湧水や列車風などを活用した新たな地中熱空調システムの開発を行なうことで,駅舎空調のゼロエネルギー化を目指すもの.
地下駅では,車両冷房排熱が列車風により駅構内に流入することもあり,冷房用エネルギー消費が大きくなる問題があるとし,地下駅に湧出する地下湧水に着目.湧水を介した地中熱回収利用を行なうとともに,湧水を利用した空調システムにより,駅構内の冷房消費エネルギーを削減してCO2の排出削減を目指す.
この事業で技術開発するシステムは,湧水槽の熱を回収する「湧水熱交換器」,湧水の熱で導入外気を冷却する「プレクール」,軌道からホームに流入する空気を地下湧水や列車風の活用により冷却する「クールゲート」,全体のシステムを統合する「EMS」で構成される.
また,列車の運行状況や,湧水槽や送水管の水温,トンネル内・外気の温湿度およびホーム上の温湿度分布・風況・人密度分布などの情報を一元的に集約し,再生可能エネルギーを最大限活用しながら最適な空調制御を実現するシステム運用を実施し,その低炭素化の効果を検証する.
写真は特記以外横浜高速鉄道ニュースリリースから