JR東海では,これまで武豊線と東海道本線の岡崎—豊橋間に導入した「集中旅客サービスシステム」について,2020(令和2)年から東海道本線の大府—岡崎間と関西本線の名古屋—桑名間に,同システムの導入駅を拡大すると発表した.
「集中旅客サービスシステム」は,券売機に隣接してインターホンと券面確認台を新設して案内センターとつなぎ,セキュリティカメラやスピーカーなどを新設することで,案内センターのオペレーターがセキュリティカメラにより駅の状況を把握する.あわせて,利用客からの質問への応対や,声掛け,案内放送などを行ない,現地での案内などが必要な場合は,係員が出向いて利用客に応対するもの.
今回導入されるのは,東海道本線5駅(逢妻・野田新町・東刈谷・三河安城・西岡崎)と関西本線5駅(八田・春田・蟹江・永和・弥富)の合計10駅.これら10駅では現在,早朝・夜間などの駅係員不在時にきっぷの購入やICチャージ,乗り越し精算などができないが,システム導入後はインターホンと券面確認台を使用し,案内センターのオペレーターと会話することで,列車を運行するすべての時間帯できっぷの購入などができるようになる.
また,指定席券購入ニーズの高い東刈谷・八田・春田・蟹江の4駅には,「サポートつき指定席券売機」を設置する.この券売機では,インターホンを通じてオペレーターが応対することで,新幹線の指定席特急券や学生割引乗車券などの証明書を必要とする割引のきっぷの購入も可能となる.東刈谷・蟹江・弥富の3駅については,引き続き有人窓口を日中時間帯に営業するとともに,東刈谷・蟹江の2駅には,現地に出向く係員を配置する.三河安城では,新幹線の有人窓口を利用することもできる.
工事は2020(令和2)年4月に開始し,同12月ごろに使用を開始する予定.工事費は約7.4億円としている.
写真はすべてJR東海ニュースリリースから