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富山市・富山地方鉄道・富山ライトレール,2020年3月21日から路面電車の南北接続を開始 〜運行形態や運賃などの概要を発表〜

富山ライトレール TLR0600形電車

写真:富山ライトレール TLR0600形電車  松本洋一撮影  城川原車庫にて  2006-4-26(取材協力:富山ライトレール)

富山市・富山ライトレール・富山地方鉄道では,2020(令和2)年3月21日(土)の始発から路面電車の南北直通運転を開始すると発表した.

 路面電車南北接続後の運行形態や運賃体系については,路面電車利用者のさらなる増加につながる質の高いサービスの提供に向けて,これまでに富山市・富山地方鉄道・富山ライトレールの3者で協議を進めており,2019(令和元)年8月には富山地方鉄道と富山ライトレールとの連名で2020(令和2)年2月の合併についての認可,また富山市を含めた3者間で,軌道運送高度化実施計画の変更認定について国に申請し,2019(令和元)年9月30日(月)に国からそれぞれ認可・認定を受けている.

富山市・富山地方鉄道・富山ライトレール,2020年3月21日から路面電車の南北接続を開始

 直通運転後は,岩瀬浜と環状線,南富山駅前,大学前の3方面との直通運転を行ない,南北接続の効果を十分に発揮するため,富山ライトレール区間の電車は始発から終電まですべての電車が南側の富山地方鉄道軌道線に乗り入れる.
 朝ラッシュ時には,通勤・通学利用に対応するため,10分間隔(毎時6本)で運転する岩瀬浜方面からの列車が,南富山方面へ20分に1本(毎時3本),大学前方面へ20分に1本(毎時3本)の間隔で直通運転する.
 昼間帯には,中心市街地へのアクセス向上を図るため,15分間隔(毎時4本)で運転する岩瀬浜方面からの列車が,環状線方面へ30分に1本(毎時2本),南富山方面へ60分に1本(毎時1本),大学前方面へ60分に1本(毎時1本)の間隔で直通運転する.
 環状線については,岩瀬浜—環状線—岩瀬浜間の直通運転を30分間隔(毎時2本),純粋な環状線運転は30分間隔(毎時2本)とし,環状線内は現行の15分間隔(毎時4本)を維持する.
 また富山港線区間では,朝のラッシュ帯に城川原始発の富山駅方面行き2本を増発運転する.さらに夕方においても,富山駅—岩瀬浜間で2往復の増発を行ない,富山駅で17:30から18:30までの間,富山港線区間を10分ごとの運転とすることで,混雑解消を図る.そのほかの時間帯は現在の運行本数を維持する.
 富山地方鉄道軌道線内については,現在の運転列車の一部が直通運転に置き替わる.南富山駅前—富山駅間については,現行どおりの運転(昼間帯5分ごと,岩瀬浜—南富山直通便含む)となる.
 南富山駅前—富山駅—大学前間では,南富山駅前から大学前を直通する系統は,朝ピーク時に現行で1時間に12本の運転から9本の運転に変更し,うち3本は岩瀬浜—大学前直通便となる.昼間帯については,現行で1時間に6本の運転から5本の運転に変更し,うち1本は岩瀬浜—大学前直通便とする.
 富山駅—大学前間については,岩瀬浜—大学前直通便を含めて現行どおりの運転(朝ピーク時5分ごと,昼間帯は10分ごと)とする.
 乗継ぎ対応については,現在,富山地方鉄道軌道線の「丸の内」と「中町(西町北)」の2停留場で実施しているが,「丸の内」では従来の「大学前方面と環状線の乗継ぎ」に加え,新たに「大学前方面と岩瀬浜方面との乗継ぎ」を実施する.また「中町(西町北)」では,従来の「環状線方面から南富山駅前方面との乗継ぎ」に加え,新たに「岩瀬浜方面から環状線を経由して南富山方面への乗継ぎ」・「南富山方面から岩瀬浜方面(環状線から直通)への乗継ぎ」が可能となる.このほか,南北接続後の具体的なダイヤについては,北陸新幹線の2020(令和2)年度ダイヤ改正を踏まえ,土曜・休日分なども含め2020(令和2)年1月下旬ごろの発表を予定している.なお,富山地方鉄道のデ7000形・デ8000形については,富山港線側には乗り入れず,富山港線はすべて低床車両で運転される予定.
 南北接続開業後の運賃については,2019(令和元)年10月からの消費税改定にともない実施した,現在の運賃(富山地方鉄道・富山ライトレール同額)を適用する(全線均一運賃).定期券は,開業後に統合し1枚で全線を利用できるようにする.また,現在の定期運賃には差があることから,新運賃は富山ライトレール利用者の上げ幅を抑えるとともに,富山地方鉄道の利用者に対しては引き下げる設定を行ない,より利用しやすくする.
 ICカードシステムについては,富山地方鉄道の「えこまいか」と富山ライトレールの「パスカ」システムの統合を進めており,開業前日までに各種テストを終了し,南北接続開業日には統合する.統合による利用客への影響はなく,現在の「えこまいか」・「パスカ」とも引き続き利用できるが,定期券については更新時に順次「えこまいか」に切り替える.また,南北接続開業前に購入した定期券についても,期間満了までそのまま利用可能とする(富山市発行の「おでかけ定期券」も同様).
 なお,開業前日の3月20日(金)には,路面電車南北接続開通式と南北自由通路完成式が実施される.翌3月21日(土)の開業日には,オーバードホールでの開業記念式典のほか,富山駅周辺や岩瀬・五福・南富山方面などで,それぞれ記念イベントが実施される予定.

写真:特記以外は富山市WEBサイトから

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