東京地下鉄(東京メトロ)では,全駅(※)で勤務中のすべての社員にiPhoneを導入すると発表した.
東京メトロでは,案内サービス品質向上,訪日外国人の方への案内強化,社員間の迅速な情報共有などを図るため,2010(平成22)年からサービスマネージャーがiPadを活用した案内を開始したのを皮切りに,2015(平成27)年には東京メトロが管理する全駅にiPadを配備.また2018(平成30)年から車掌,2019年からワンマン路線の運転士がiPadを携帯するなど,ICTを活用した質の高いサービスの提供に取り組んできた.今回,東京メトロが管理する全駅に約1500台のiPhoneを導入し,勤務中のすべての社員がiPhoneを携帯することで,駅構内のいずれの場所においても,迅速に充実した案内が可能となる.
また,iPhoneの導入にあわせて,国際的なスポーツイベントなどで訪日外国人の方への案内強化のため,NTTドコモと共同開発した多言語翻訳アプリ「はなして翻訳®」をiPhoneに搭載する.
「はなして翻訳®」は,これまでNTTドコモが提供している翻訳アプリをベースに開発したもので,12ヵ国語(英語:米国・英国・豪州,中国語:北京・台湾・広東,韓国語,フランス語,ポルトガル語,ドイツ語,イタリア語,スペイン語,タイ語,インドネシア語,ロシア語,ベトナム語)に対応.アプリは,音声入力による同時翻訳機能以外にも,鉄道での案内や,地域に特化した案内など,あらかじめ使用頻度の高い内容を定型文として登録できる.
また,東京メトロでは自然災害などで列車に遅れや運休が発生した際に,駅構内で一斉放送を実施しているが,今回のアプリ導入により,イベント時や自然災害発生時などに,状況に応じた放送を多言語で駅構内一斉に実施することができる.
今後は,東京メトロが管理する全駅に導入するスマートフォンなどの端末にアプリをインストールし,国際的なスポーツイベントなどの大会期間中に活用していく.
写真:特記以外は東京メトロ提供