ソフトウエア開発などを行なうシアンス・アールでは,同社が独自開発した音声コミュニケーションアプリ「Aldio Enterprise(アルディオ エンタープライズ)」(以下:Aldio)をJR東海が採用したと発表した.
「Aldio」は,「現場が変わる」というコンセプトのもと,音声でのリアルタイムな情報共有ができるスマホIP無線サービスで,屋内外問わず24時間365日の稼働が可能.同時に数千名への一斉連絡を行なう大規模ユーザーや,秒単位の細かい指示が必要とされる現場などですでに導入されている.サービスは,スマホにアプリをインストールするだけで利用が可能で,Android・iPhone・タブレットでの利用やau・ドコモ・ソフトバンクの全キャリアに対応する.スピーカーマイクなどの周辺機器と連携でき,ハンズフリーでスマートフォンに触れることなく通話が可能である.また,コミュニケーションにAIを活用し,AIアシスタントの自動応答により現場をサポートするほか,位置情報などをIoTデータと連携させることも可能.さらに通話データ・テキストデータをサーバ―に保存し,ビッグデータの解析も行なう.
JR東海では,2018(平成30)年3月のダイヤ改正から東海道新幹線乗務員の乗務体制が見直され,乗務員の車内巡回動線に変更が生じたことで同年から「Aldio」の導入を開始.グループを変更するとほかの列車にもすぐに連絡できるため,遺失物やほかの列車の切符が発見された場合に当該列車へ連絡できるなど,これまでよりもスピーディーな対応が可能となった.今後は,グループ間で映像や文字での情報共有を可能にし,指令と乗務員間での車両状態などの確認ができるようにする.
特記以外の写真はシアンス・アール提供