小田急グループの箱根観光船では,2019(平成31)年4月25日(木)に,新形海賊船「クイーン芦ノ湖(QUEEN ASHINOKO)」の運航を開始した.
「クイーン芦ノ湖」は,「心ときめくクルーズ」をコンセプトとし,内外装設計をドーンデザイン研究所の水戸岡鋭治氏が担当.建造費用は約12億5000万円で,全長35m・全幅10m・総トン数318t,運航速力は10.5ノット(最大速力11.7ノット)で旅客定員541名(うち特別船室87名)となる.
船体は,湖面に映える上品な黄金色を基調とし,船首には古代ギリシャ時代の「サモトラケのニケ」をモチーフとした女神像を設置.女王の風格や優雅さを表現した.
従来の海賊船と比較して,内装のデザイン・材質・色にこだわっており,箱根寄木細工をモチーフとした床材や,日本の伝統工芸である大川組子を船内の装飾に取り入れたほか,さまざまな色や模様がデザインされた5種類の椅子は,乗船客それぞれの船旅を提供できるように配置されている.
180度展望できる2Fの特別船室には,米松とナラ材を使用し,木の温もりと贅沢を感じられる室内とし,撮影スポットとして,黄金の壁をバックに女王陛下の玉座を設置した.船首船尾には,乗船客が芦ノ湖の風を感じることができるように,見晴らし台(ウォッチ台)を設置した.このほか船内ショップでは,こだわりのコーヒー,生ビール,ワインのほか,水戸岡鋭治氏デザインのオリジナルグッズが販売される.
写真はいずれも大沼一英撮影