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東急,「駅古材活用プロジェクト(えきもくプロジェクト)」第3弾を実施

東京急行電鉄 7000系

写真:東京急行電鉄7000系  編集部撮影  長津田検車区にて  2007-11-25(取材協力:東京急行電鉄)

東京急行電鉄では,池上線を中心とする「駅古材活用プロジェクト(えきもくプロジェクト)」の第3弾として,同線池上駅開発計画と連動して,既存の駅舎に使用していた木材を使ってベンチを制作し,街に拡げていく,「池上駅の 『えきもく』を使ったベンチを街に拡げよう」計画を実施すると発表した.

 2018(平成30)年春からスタートしたこのプロジェクトは,池上線旗の台駅改良工事「木になるリニューアル」,池上駅開発計画で発生した木材(古材)を,駅や沿線で活用し,歴史ある木造駅の記憶を未来に継承することや,工事にともなう環境負荷低減(廃材処理時のCO2削減)に寄与することを目的としている.プロジェクトは,2018(平成30)年6月の「駅古材で椅子を制作するワークショップ」や,同年11月の「池上線全線祭り」の一環として,旗の台駅で「駅古材でクリスマスオーナメントを制作するワークショップ」が実施されている.

ベンチ制作キットの完成イメージ

ベンチ制作キットの完成イメージ

 第3弾となる今回は,長野県諏訪市を拠点に古材を再利用する活動を続けるリビルディングセンタージャパンの協力のもと,池上線の象徴である長いベンチを,公共の場で活用する「えきもくベンチ」としてリデザインし,池上駅の古材を用いたベンチの制作キットとして,10組に無料配布する.これは,これまでの実施イベントなどを通して,利用客から寄せられた池上線の長いベンチの撤去を惜しむ数多くの声を受け,同じ形を再現できるベンチキットの配布を決定.配布先は,駅だけでなく街の中で広く利用できる,公共の場に設置を検討している事業者を対象とし,制作されたベンチの設置場所はマップ形式で公開する.なお,市販の材料で誰でも「えきもくベンチ」を制作できるよう,ベンチの制作図面は同社の「いい街いい電車プロジェクト」WEBサイトにマップとともに公開される.

池上駅に設置されていた長いベンチ

池上駅に設置されていた長いベンチ

 東京急行電鉄では,2017(平成29)年9月から,池上線で生活に根付いた地域資源を「生活名所」として選定し,魅力を掘り起こす「生活名所プロジェクト」を実施しており,2018(平成30)年11月に開催した「池上線全線祭り」は大盛況となるなど,さまざまな形で沿線の魅力を発信している.また,2019(平成31)年3月に大田区と締結した「地域力を活かした公民連携によるまちづくりの推進に関する基本協定」の取組み事項のひとつにも「地域資源の発掘とプロモーション」を掲げており,池上本門寺の旧参道の入口に開設・運営するまちづくり推進拠点の内装に「えきもく」を活用し,「えきもく」が地域をつなぐきっかけの一つになることを目指す.

特記以外の写真はいずれも東京急行電鉄提供

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