奈良市では,近畿日本鉄道とともに,近鉄大和西大寺駅においてすすめている自由通路整備工事について,2019(平成31)年1月下旬から自由通路本体の橋脚建方工事を,また2月末から4月にかけて桁架設工事を行なうと発表した.
近鉄大和西大寺駅は,奈良市中心市街地の近鉄奈良駅や,大阪・京都・橿原方面を結ぶ,観光・通勤における奈良市最大の公共交通機関の結節点である一方で,大形商業施設を有する居住エリアを駅,軌道が横断している状況にある.
今回整備される自由通路は,歩行者専用道路とし,階段を除く長さは75.5m,有効幅員は通路部分が6m,階段部分が2.4mとなる.また,駅の南北に階段を各2ヵ所,エレベータ・エスカレータを各1基ずつ設置する.自由通路は,完成後に歩行者専用道路として市道認定を行ない,設置されるエレベータにより車椅子や自転車を押しての通行も可能になる.
工事は,2017(平成29)年11月から着手しており,2018(平成30)年2月には北側駅前広場の仮整備工事を終え,7月からは仮駅舎の供用を開始した.2018(平成30)年9月末に旧北側駅舎の解体を終えたいっぽう,桁の作製にも着手し12月には長野県内の工場で仮組立検査を実施,検査合格後に運搬し作業ヤード内で本組立てを行なう.
2019(平成31)年4月の桁架設工事完了後には,自由通路の外装と内装工事に着手するとともに,橋上駅舎設置工事にも着手し,自由通路と橋上駅舎の工事完了は,2020年度末の予定.
写真提供:奈良市