オリンパスは,マイクロフォーサーズシステム規格に準拠したミラーレス一眼カメラ「OM-D E-M1X」を2019(平成31)年2月22日(金)に発売すると発表しました.オープンプライスで,小売店での想定価格は34万円となっています.
2016(平成28)年12に発売された「OM-D E-M1 Mark II」と同じく,プロフェッショナルモデルに位置づけられるカメラとなっていますが,「OM-D E-M1 Mark II」の後継機ではなく,プロフェッショナルモデルは2機種が併売されていきます.ボディは,縦位置グリップ一体のマグネシウム製で,横位置・縦位置の操作感は同様となるようにボタンなどが配置されています.イメージセンサは2040万画素,連写速度も秒18コマとほぼ同等となっていますが,高速画像処理エンジン「TruePic VIII」を2基搭載することにより,起動時間やスリープ復帰時間の短縮,2つあるSDカードスロットがいずれも高速のUHS-IIに対応するなど高速レスポンスを実現したほか,「手持ちハイレゾショット」, 「ライブND」,「インテリジェント被写体認識 AF」といった最先端の撮影機能が新たに搭載されています.
なかでも注目されるのは,「インテリジェント被写体認識 AF」で,AIの一種であるディープラーニングテクノロジーを利用して開発したアルゴリズムが新たに搭載されています.モータースポーツ,航空機,鉄道の3つのジャンルの被写体を検出し,最適なポイントにフォーカスし,追尾することが可能です.鉄道については,ディープラーニングには国内外の車両を使用しており,列車の前面の窓を認識しすることでピントを追従します.
手ぶれ補正については,新開発のジャイロセンサーを搭載することで,ボディ単体で最高約7.0段分,「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」との組み合わせでは世界最高約7.5段分となる「5軸シンクロ 手ぶれ補正」を実現しています.今までにない低速シャッターでの手持ち撮影も行なえ,デモでは4秒というシャッター速度でも,ぶれのない写真が紹介されました.鉄道写真では,夜の駅ホームなど三脚が使えないエリアでも,ISO感度を下げて高感度ノイズを低減しつつ,露光時間を長くする撮影も可能になりそうです.
また,2019年10月12日に,オリンパスは創立100周年を迎えることから,創立100周年を記念モデルとして,ボディにシルバー色を採用した「OM-D E-M1 Mark II」が,2019(平成31)年2月22日(金)に発売されます.こちらは,全世界2000台の数量限定となっています.
このほか,マイクロフォーサーズシステム規格に準拠した「M.ZUIKO PRO」シリーズのレンズとして開発が進められている,「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO」と「M.ZUIKO DIGITAL 2x Teleconverter MC-20」についても発表が行なわれました.
「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO」は1.25倍テレコンバーターを内蔵していて,35mm判換算で300-1000mm相当の焦点距離をカバーする超望遠ズームレンズです.「M.ZUIKO DIGITAL 2x Teleconverter MC-20」とあわせて使用すると35mm判換算で2000mm相当の撮影が可能で,手ぶれ補正機構により,この焦点域においても手持ち撮影が可能になります.
価格については,両レンズともに未定となっており,「M.ZUIKO DIGITAL 2x Teleconverter MC-20」は2019年夏,「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO」は2020年に発売される予定です.
取材・撮影:編集部・百々貴俊(取材協力:オリンパス)