東芝の事業会社である東芝インフラシステムズでは,台湾鉄路管理局(以下:TRA)の通勤形電車520両(10両52編成)向けに主回路システム電気品を受注したと発表した.
受注したのはおもに,台湾西海岸の路線約430kmを走る通勤形電車向け車両の変圧器,電力変換装置,電動機などの主回路システム電気品一式で,2019(平成31)年から車両製造を行なうHyundai Rotemに順次納入を開始し,2020年末から営業運転が開始される予定.
変圧器は,電動機を駆動制御する電力変換装置と補助電源装置に電力を供給するTRAでも実績のある強制風冷タイプと,電力変換装置のみに電力を供給する小形自冷タイプの2種類を納入する.
また,電力変換装置は,TRA通勤電車EMU800形で実績のあるIGBT素子を使用した,3レベルPWMコンバータと三相電圧形2レベルVVVFインバータで構成され,TRA独特の速度指令方式に適した制御システムを採用し,高い信頼性の確保と省エネルギー化を図る.
TRAでは,2015(平成27)年に車両購入計画を発表し,10年間で1000億台湾ドル(約3600億円)をかけて1300両以上の新形車両を購入する計画を進めている.今回の受注は,同社の台湾市場における豊富な実績が評価されたもので,TRA向けでは,2000(平成12)年の通勤形電車EMU600形向け電気品納入を皮切りに,700両分以上の納入実績のほか,台湾高速鉄道向けにも電気品などを納入している.
写真提供:東芝インフラシステムズ