国際電気通信基礎技術研究所(ATR)では,京浜急行電鉄,KDDI,パナソニック,早稲田大学と協力し,次世代移動通信システム「5G」(以下:5G)を活用した実証試験に国内で初めて成功したと発表した.
これは,多くの利用が見込まれる国際空港の駅ホームで,さらなる安心・安全の向上やインバウンドの利便性向上を目的に,サムスン電子が提供する「5Gエンドツーエンドソリューション」を用いて,2018(平成30)年11月21日(水)から12月21日(金)までの1ヵ月間,京急空港線の羽田空港国際線ターミナル駅で実施されたもの.
試験では,5Gタブレットを使用し,駅の上り地下ホームに28GHz帯の実験エリアを構築(担当:KDDI).駅ホームに設置した固定カメラと駅ホームを見回りするロボットに搭載した4Kカメラの映像を,5Gを通じてモニタやVRゴーグルへの送信し,サーバにて収集・分析することで,2K映像では発見できなかった刃物の検知や,不審者に対する見回りロボットの駆けつけの試験を行なった.また,5Gタブレットを用いた同時翻訳や,4K画質による観光案内映像の配信試験も実施した(担当:パナソニック・早稲田大学).
5Gを活用することで,既存のモバイル通信では実現が困難であった大容量データの伝送が可能となるため,4Kの高精細映像をリアルタイムに伝送・収集・分析して早期に危険を検知することや,高精細映像による観光客への情報提供など,駅の安全・安心を向上させることが期待されている.
図:国際電気通信基礎技術研究所(ATR)のニュースリリースから