西武鉄道では, 池袋線飯能駅のリニューアルを実施すると発表した.
これは,飯能駅から近い宮沢湖を中心とした広大なエリアに,日本でも人気の高い「ムーミン」の世界や,北欧のライフスタイルを体験できる施設「メッツァ」が,2018(平成30)年度中に開設されることにあわせて実施するもので,西武鉄道では,同施設の最寄駅のひとつである飯能駅を観光拠点に位置付け,自然あふれる飯能地区の玄関口にふさわしい駅へのリニューアルを実施する.
駅舎のリニューアルにあたり,「飯能」の要素とムーミン発祥の地である「フィンランド」の要素を掛け合わせた「本物のフィンランドデザイン」を取り入れるため,フィンランド国内のデザイナーを対象に「飯能駅リニューアルデザインコンペ」を,2017(平成29)年度にフィンランド大使館と共催で実施した.採用されたのは,N.E.O Ark(ネオアーク)社のデザインで,コンセプトは「Sykli(サイクル)」とし,自然環境のサイクルと人間の動きを対比させ,空間全体を使って,観光客も地域住民もそれぞれ行きたい方向に誘導できる環境を創ることを目指した.
コンコースには木材を模した膜天井を,ホーム・階段・コンコースそれぞれの目的の場所へと誘うように取り付ける.また,誘導を促すカモメをモチーフとした鳥も設置する.1・2番ホームの階段は「葦(あし)」を,3・4番ホームの階段は「樹木」をモチーフとしたデザインとし,ホームからコンコースへ気持ちを高揚させるような空間を演出する.さらにそれぞれのホームでは異なる季節を表現する.1・2番ホームは「春」,3・4番ホームは「夏」とし木材を使用したモチーフを設置する,特急ホームは「冬」として照明で粉雪を表現する.
これらのリニューアル工事の完了は,2019(平成31)年3月の予定となっている.
写真上:ホームの完成予想図
写真下:改札付近の完成予想図
いずれも西武鉄道のニュースリリースから