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小田急,「回生電力貯蔵装置」による列車自力走行試験を実施

小田急4000形

小田急電鉄は,2018(平成30)年7月11日(水)終電後に,小田原線の複々線地下区間(代々木上原—梅ヶ丘)で「回生電力貯蔵装置」の電源供給による列車自力走行試験を実施したと発表した.
 この試験は,大規模停電発生時において地下区間の駅間などに停車した列車内の乗客を,安全かつ速やかに最寄り駅で降車できるよう,回生電力貯蔵装置の蓄電池のみの電力で,車両の走行が可能かを検証するために行なわたもので,4000形車両(10両編成)を使用して,下り急行線,上り緩行線の1往復を走行.計8回の起動・停止を実施した.

回生電力貯蔵装置(上原変電所)

回生電力貯蔵装置(上原変電所)

緊急走行時の回生電力貯蔵装置 制御画面

緊急走行時の回生電力貯蔵装置 制御画面

 試験の結果,回生電力貯蔵装置の蓄電池のみの電力で,列車を各駅や駅間の勾配箇所に一旦停車させた後,起動させて次駅まで自力走行することに成功した.同区間には小田急電鉄最大の35‰の勾配があり,この勾配上で停車させた列車も蓄電池のみの電力で自力走行(起動)可能であることが確認された.
 今後は,万一の大規模停電発生時,地下区間に停車した列車内の乗客が安全かつ速やかに最寄り駅で降車できるように,回生電力貯蔵装置の具体的な運用方法などを決定する.
 なお,回生電力貯蔵装置は,2018(平成30)年5月,小田急小田原線上原変電所(東京都渋谷区)に導入された.蓄電池はリチウムイオン電池を使用し,通常時は,列車の回生電力を吸収し放電することで節電効果によるCO2削減を図る.

写真上:小田急4000形  編集部撮影  唐木田車庫にて  2007-6-14(取材協力:小田急電鉄)

下写真2点は小田急電鉄のニュースリリースから

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