JR西日本では,2019年春の開業に向けて準備を進めているおおさか東線の新大阪—放出間のうち,鴨野以外の新駅(4駅)の駅名を「南吹田」「JR淡路」「城北公園通」「JR野江」にそれぞれ決定したと発表した.
おおさか東線は,東海道本線(JR京都線)新大阪と関西本線(大和路線)久宝寺を結ぶ新路線で,大阪東部地域の鉄道ネットワークの充実を目的として,大阪外環状鉄道とJR西日本で整備を進めており,2008(平成20)年3月に放出—久宝寺間が開業している.
南吹田(仮称:西吹田)は,所在地に忠実であり,吹田市最南端の駅となることから場所をイメージしやすく,親しみを持ちやすいことから決定した.駅舎は新駅周辺が神崎川の水資源を生かした水田,くわいの栽培地であった地域の歴史・風土のあるまちであることから,神崎川・水路の風景を表現している.
JR淡路(仮称:淡路)は,駅に隣接する地域の名称で,周辺の商店街などの名称にも採用されており,阪急京都線・千里線との接続駅であることから,「JR」を冠した.駅舎は,「菅原道真と淡路」 をコンセプトとし,平安時代,菅原道真が中州(中島)であった淡路の地が,淡路島と間違えて上陸したことに由来するという逸話から,当時の川の流れと地形などを表現している.
城北公園(仮称:都島)は,駅の所在地である旭区と隣接する都島区を貫く通りの名称であり,両区にまたがって存在した旧城北村の名残として地域名にも使用されていることから決定した.駅舎は「淀川の渡し舟」をコンセプトとし,新駅周辺の城北地域を含む旧淀川には多くの渡し場があり,水運とともに歩んできたことから,渡し舟が水面に浮いているようすを表現している.
JR野江(仮称:野江)は,駅所在地の地名でわかりやすいこと,また京阪本線・大阪メトロ谷町線との接続駅となることから「JR」を冠した.駅舎は,「榎並猿楽」をコンセプトとし,鎌倉時代に能のルーツのひとつとなる榎並猿楽がこの地より発祥したことにちなみ,猿楽の衣装と能の舞台を引用し表現している.
駅設備は4駅とも,高架構造の相対式ホーム2面(8両編成対応)で,エレベータ(2基・各ホーム1基),エスカレータ4基(各ホーム上り・下り)が設置される.
なお,運賃については隣接するJR京都線・大和路線・学研都市線と同じ特定区間運賃が適用される予定.
路線図はJR西日本のニュースリリースから
写真:建設中のJR淡路駅 伊原 薫撮影 2018-7-24(取材協力:JR西日本)