JR西日本では,無線式ATCを和歌山線橋本—和歌山間(42.4km)に導入すると発表した.
2019年春から導入予定の和歌山線・桜井線用227系に車上装置を搭載し,2023年春から一部列車に対して導入を開始し,2024年春には全列車に対して導入を完了する予定.
無線式ATCは,連続的な無線通信により,各列車の位置を検知するもので,さらに前方列車の位置を把握して,後方列車を自動的に適正な速度に減速させ,列車間の安全な間隔を確保する保安システム.今回の導入は,運転支援機能の充実を目的としており,踏切での自動車の立ち往生などの異常時や,大雨や地震などの自然災害にともなう急な速度規制の場合に,その情報を列車に送信し,ブレーキを自動で作動させる.
また,情報の伝送を地上子・ケーブルから無線への置換えや,信号の地上から車内への置換えが可能となることから,地上設備をシンプル化することが可能となる.これらにより,メンテナンス性を向上させ,将来にわたって持続可能な鉄道システムを目指す.
写真:和歌山線用の227系(JR西日本提供)