JR東日本は,伊豆エリアへの新たな観光特急列車を東京・新宿—伊豆急下田間で運転し,専用車両としてE261系を導入すると発表した.
車両のトータルデザインは,世界的な工業デザイナーであり,日本の伝統文化を広く世界へ発信している奥山清行氏が代表を務める「KEN OKUYAMA DESIGN」が,ヌードルバーのプロデュースとデザインは,「TOHOKU EMOTION」の飲食プロデュースなども手がけた「TRANSIT GENERAL OFFICE」が,それぞれ担当する.
E261系は8両編成で,エクステリアデザインは,伊豆の圧倒的で雄大な自然を表現したもので,エクステリアのベースカラーである紺碧色は「伊豆の海と空」,車両前面から屋根上にかけてのホワイトは「伊豆の砂浜が太陽の光を受けて金色に輝く様子」,車体側面のグレーは「溶岩地形である城ヶ崎海岸の黒々とした岩石」をイメージしたものとなっている.また,車窓の景色の移り変わりを感じられる開放的な車内空間を提供するために,各車の車体側面の上部には「天窓」が設置される.
伊豆急下田方先頭1号車はプレミアムグリーン車,2・3号車はグリーン個室,4号車はヌードルバー,5〜8号車はグリーン車となる.
プレミアムグリーン車はJR東日本で初めて導入されるもので,座席配置は1+1列で,シートピッチは1250mmとなる.天窓と窓からのダイナミックな車窓を楽しめるよう,収納スペースは座席下に配置される.
グリーン個室は,4名用と6名用があり,1両にそれぞれ2室ずつ設置される.落ち着いてくつろげるカフェをイメージしたプライベート空間となる予定.
4号車に設置されるヌードルバーは,こだわりの麺(ヌードル)を目の前で調理するオープンスタイルのキッチンを備え,車窓を流れる相模湾の景色を眺めながら食事を楽しむことができるカウンター席とボックス席が配置される.
グリーン車は,伊豆の自然をイメージし,天窓からの陽の光がガラス製荷棚を通して車内に降り注ぐ空間となる.座席配置は2+1列で,シートピッチは1160mm.各車両に大形荷物置き場が設置(2〜3号車のグリーン個室は,室内に荷物スペースを設置)されるほか,車内では無料公衆無線LANサービスが提供され,全席に電源コンセントが設置される.
E261系は8連2本が製造され,2020年春から営業運転を開始する予定.
写真はいずれもJR東日本のニュースリリースから