JR東海,2018年度の重点施策を決定

「N700S」確認試験車が公開される

JR東海は,2018(平成30)年度の重点施策を発表した.
 2018年度も,安全・安定輸送を優先し,東海道新幹線の脱線・逸脱防止対策をはじめとする地震対策,土木構造物の大規模改修工事を実施する.輸送サービスの充実として,新幹線関連は,「のぞみ10本ダイヤ」を活用し,需要にあわせたより弾力的な列車設定に引き続き取り組むほか,「N700A」(3次車)の投入と既存車両に地震ブレーキの停止距離短縮などの3次車の特長を反映させる改造工事を進める.また,2019年度末の東海道新幹線全列車の最高速度285km/h運転化に向けたダイヤの検討や,2020年度に予定している「N700S」量産車の投入に向けた走行試験を進める.在来線関連では,“しなの”・“ひだ”などの特急列車について,引き続き需要にあわせた増発や増結を行なう.
 安全対策については,ホーム可動柵の導入を,東海道新幹線新大阪駅の20〜26番線への設置工事に着手するほか,在来線でも東海道本線金山駅において,実証試験および設置に向けた仕様の検討などを行なう.また,在来線ホームについては,内方線付き点状ブロックへの取り替えや,エレベーターや多機能トイレの設置などバリアフリー設備の整備を推進する.
 技術開発などについては,「N700S」確認試験車による走行試験を行ない,量産車の仕様確定に向けて最終確認を行なうほか,在来線では,安全性や快適性の向上とともにトータルコストの低減を図るハイブリッド方式による在来線次期特急車両の試験走行車の新製を進める.また,状態監視技術などを活用した検査や保守の高度化・省力化,および設備の維持更新におけるコストダウンにつながる技術開発を推進する.
 利便性向上施策として,公式WEBサイトにおいて,新幹線・在来線の個別列車の走行位置や遅延の状況,新幹線各駅の発車状況などの情報提供を開始する.また駅ナンバリングの導入や,2019年春の「TOICA」利用エリア拡大に向けた準備,駅や車内の無料Wi-Fiサービスの拡大を行なう.
 超電導リニアによる中央新幹線計画についても,営業運転に対応した保守体系の確立・実証などを進めるとともに,車両の長距離走行試験,体験乗車による理解促進を引き続き進める.また,高速鉄道システムの海外展開についても推進する.
 このほか,関連事業については,JRセントラルタワーズとJRゲートタワーを一体的に運営し,相乗効果を発揮することで,収益拡大を図る.

写真:「N700S」確認試験車  編集部撮影  浜松工場にて  2018-3-10(取材協力:JR東海)

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鉄道ファン2018年10月号