東京地下鉄では現在,銀座線について全駅のリニューアルを進めているが,このたび銀座駅のデザインが決定したと発表した.
銀座駅は,2015(平成27)年1月から6月にかけて実施した,銀座駅デザインコンペ入賞作品のアイデアや想いを参考に,地域と連携しながら,デザインコンセプトを『「憧れの街」〜人と街をつなぐ 光のゲートアベニュー』とし,地下にいても地上を感じることができる「銀座のまちの地下1階」をテーマに,銀座らしい"伝統"と"先端"の機能が融合したデザインに生まれ変わる.
出入口は,2015(平成27)年のデザインコンペ最優秀賞のアイデアを具現化し,門型の構えにより,駅出入口としての存在感と視認性を高めながらも,街になじむ素材と光による演出で街を駅をつなぐ.各出入り口を路線のラインカラーに合わせた,レモンイエロー(銀座線),シルバーホワイト(日比谷線),チェリーレッド(丸ノ内線)を光のグラデーションで表現し,光の衣を羽織ったような演出を行なう.
ホームは,格式ある銀座の街にふさわしい,上品で落ち着きのある空間とする.銀座線ホームの側壁には,一面に古き良き銀座の街並みのイメージを描く.電車を待ちながら銀座線の歴史を感じることができ,銀座を訪れる多様な人々と街を,世代,国,地域を超えてつなぐ役割を果たす.また印象的な光柱は,出入口と連動し,路線ごとにラインカラーの色,頭文字のパターンで天井から垂れる「銀座の柳」をイメージした光のグラデーションを施す.
コンコースと改札口は,既存の施設配置や天井内設備のルートを徹底的に見直すことで,駅全体の見通しを最大限確保し,天井も可能な限り高くすることで,閉塞感を解消し,明るく広がりのある快適な駅空間を実現する.3路線それぞれの改札口は,出入口またはホームから導かれるラインカラーの光で,直感的に認識しやすくし,初めて銀座駅を利用する方にもわかりやすい,快適な移動を提供する.
また,日比谷線のコンコースでは,ふだんから乗換えの利用客や駅と地下で接続するデパートに向かう利用客などが多い.今回のリニューアルでは,見通しが良く,わかりやすい空間構成へと見直すことで,便利な通路をより快適に,そして,銀座の街をイメージした上品で落ち着きのある装いに一新し,銀座駅のメインストリートにふさわしい環境をつくる.
今後は,2017(平成29)年11月からリニューアル工事に着手し,2020年度に完了する予定.
写真:いずれも東京メトロニュースリリース(PDFファイル)から