JR東海では,東海道新幹線の車両検査や修繕時の検修データを,現在2つのシステムで管理しているが,今回システムを統合し,一元管理すると発表した.また,新幹線の検修作業において初めてタブレット端末を導入し,検修データを全て電子化することで車両品質の一層の向上を図り,安全・安定輸送を確保する.
現在,検修データには,仕業検査,交番検査,台車検査を管理するシステムと全般検査を管理するシステムを使用しているが,これらを統合し,ここに車両走行中に得られる車両データを加え一元管理することで,車両に関する全てのデータを一体的に管理・分析することが可能となる.これにより得られた分析結果をもとに,検査内容や検査周期の最適化を目指す.
また,タブレット端末を導入することで,重要部品の状態を撮影した画像を記録できるほか,一部の作業では,作業員が検査結果を声に出すことで音声認識を行ない,その内容をタブレット端末に自動で入力する.また,車両の機器や部品にQRコードを取り付け,タブレット端末で読み取ることで,機器や部品の情報を自動で入力するなど,データ入力における信頼性向上を目指す.さらに,検修データの結果確認を自動化することで検査の品質を向上させるとともに,紙の帳票類を削減し,検修データの管理における信頼性向上を目指す.
これらのシステムは2019(平成31)年4月ごろから導入される予定.
写真:N700系1000番台「N700A」 編集部撮影 JR東海・浜松工場にて 2012-8-21 (取材協力:JR東海)