漁村や農村を起点にして,行商人を乗せ日々新鮮な食材を都市に届けてきた行商専用列車は,近畿日本鉄道の鮮魚列車を残すのみとなりました.本書では,今となっては希少な存在となった行商に同行する取材を敢行し,その実態や歴史,さらに行商が育んできた食文化や人々のつながりが明らかされているのですが,筆者は鮮魚列車に乗車,そのときのようすを克明に伝えています.本書は民俗誌の性格が強い一冊ですが,鮮魚列車に関する記述はとくに注目に値します.
著者 | 山本志乃 |
発行 | 創元社 |
仕様 | 四六判 256ページ |
定価 | 本体1800円+税 |
発売日 | 2015年12月14日 |
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