本書は,日本の高度経済成長期,大阪市交通局の主力車両として活躍していた30系の集大成版として刊行されたものです.この30系,以前『本誌2014年3月号(通巻635号)』でも詳しく解説した記事を掲載いたしましたので,すでにご存知かも知れませんが,車両のバリエーションが豊富で,なおかつさまざまなパターンの編成で活躍しました.そのうえ,路線カラーと同色に一部が着色され,更新工事が施行された車両も存在したのです.このように,車両の愛好者にとって格好の研究対象である同系の全容が,レイルロードから発行される2分冊で一挙にわかるようになっています.掲載されている写真も貴重なものが多く,これはぜひ資料として書架に収めていただきたいと思います.