国鉄の時代から約40年間にわたり国鉄の鉄道建設技術者として働いた著者が語る,国鉄改革(分割民営化)前後の記録です.とくに,国鉄の最末期に下関工事事務所に籍を置いた著者が,「当時の苦労が技術者としてもっとも印象に残っている」と語られているほど,その改革時の現場や末端の思いは多様なものであったようです.下関工事事務所は関門トンネルの建設に携わった歴史ある事務所で,話題は日本の鉄道の成り立ちから始まりますが,当所から見た九州における鉄道の発展の記録も読みどころです.現場,つまり技術者の視点の記録は珍しいもので,たいへん貴重な一冊と言えるでしょう.
著者 | 高津俊司 |
発行 | 成山堂書店 |
仕様 | A5判 190ページ |
定価 | 本体2400円+税 |
発売日 | 2015年10月22日 |
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