JR東日本は,これまでの技術開発成果を取り入れた次世代の新形通勤電車E235系の量産先行車を製作すると発表した.
デザインコンセプトは,「お客さま、社会とコミュニケーションする車両」をキーワードとし,前面の大きな窓や表示装置で,人と人,人と社会を繋ぐ情報の窓を表現.
客室は,居住空間を広く感じることができるオープンなデザインとする.優先席を増設するとともに,車椅子やベビーカーを利用する乗客のための「フリースペース」を各車両に設置する.車内情報提供装置の増設や,トレインネット環境も整備される.
主制御器にSiC(シリコンカーバイト)を使用したVVVFインバータを採用し,車両の消費電力をさらに抑制する.オイルフリーコンプレッサをJR東日本の車両で初めて搭載し,環境負荷を低減する.
車体強度の向上,改良形戸閉装置の採用などにより,安全性を向上する.車内,車外間の情報ネットワークを強化し,常に機器類の状態監視を行なうことにより,故障の予兆を把握し,事前に対処することで更なる安定性向上を実現.線路および電力設備の状態監視装置を試験的に搭載し,営業車両から地上設備を監視
することで安全性.安定性向上の実現に向けた技術開発を推進する.
E235系量産先行車は11両編成で,うち10両は新造,1両が改造車となる.2015(平成27)年3月以降落成し,走行試験を行なったあと,2015(平成27)年秋ごろから山手線で営業運転を開始する予定.
写真:E235系量産先行車のイメージパース(JR東日本ニュースリリースから)